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第47回 がんドライバー遺伝子NRF2の関連因子NRF3による新たな発がん機構:20Sプロテアソームのユビキチン非依存的タンパク質分解

各講座・部門・診療科等御中、


     第47回動物生命科学研究センター学術講演会開催のお知らせ


 第47回動物生命科学研究センター学術講演会を、下記の通り開催致します。
貴講座の皆様方へお知らせいただきますようによろしくお願いいたします。


                  記


■    演 題:「がんドライバー遺伝子NRF2の関連因子NRF3による新たな発がん機構:20Sプロテアソームのユビキチン
         非依存的タンパク質分解 」  

■ 演 者: 小林 聡  先生(同志社大学生命医科学部 医生命システム学科 教授)

■ 日 時: 令和1年 11月8日(金)    17:00〜

■ 場 所: 基礎研究棟2階 教職員ロビー

<講演要旨>
 近年、がん細胞は細胞がもつストレス応答システムをハイジャックすることで、活発な増殖性を維持していることが明らかにされている。例えば、酸化ストレス応答において重要な転写因子NRF2は、がん細胞に酸化ストレス耐性を与え、代謝リプログラミングしている。近年、我々はNRF2のホモローグであるNRF3(NFE2L3)が、がん細胞においてタンパク質分解酵素20Sプロテアソームを活性化し、細胞増殖性を活性化していることを発見した。本セミナーでは、これまで長く機能が不明であったNRF3に関する知見についてご紹介したい。

 がんゲノムデータベースにおいて、NRF3が大腸がんや膵がんなどで高発現し、その発現は予後不良と正に相関することが示されている。このデータは、がんにおけるNRF3の重要な生理機能を強く示唆する。そこでヒト大腸がん細胞または異種移植実験等で詳細に解析したところ、NRF3は20Sプロテアソームのアセンブリ因子POMPを発現誘導することで、同プロテアソーム複合体形成を促進することを見出した。さらに活性化した20Sプロテアソームはがん抑制因子p53とRbをユビキチン非依存的に分解することで、細胞死抑制・細胞増殖性ならびに転移能を高めることを明らかにした。つまり本成果は、非常に不明な点が多い20Sプロテアソームによる新たな発がん機構の発見にあたる。

■ 本講演は大学院の医学総合研究特論の一環として認定されています。